M8 (干潟星雲:いて座)   
(2006.7.27)
兵庫県 日高町 里の会星文化研究所 2006/7/27 23:20   口径18cm反射望遠鏡(500mm F/2.8) Fuji FinePix S3Pro 露出2分 自動追尾撮影                  Mr.M

夏の星座「いて座」は、南の空低く、さそり座の西隣に輝いています。
あまり明るい星はなく目立ちにくい星座ですが、天の川が流れて落ちていくところといえば分かりや
すいでしょうか。
特徴的な星の配列といえば、6つの星々が作る「南斗六星」が有名です。アニメ「北斗の拳」に出て
きたアレです。
6つの星が北斗七星のような形に並んでいます。
きょうの「M8」は、その南斗六星のすこし右(西)側にあり、まさに天の川の本流にぼんやりと輝い
ています。

東西に広がる星雲は、見かけの大きさがお月さんの約1.5倍ほどあり、真ん中を暗黒星雲で分
断され ています。
口径20cm以上の望遠鏡では、左(東)側の星雲中に暗いしみのようなものがいくつか見えます。
「暗黒星雲」と呼ばれるこれらの星雲は、いつかはその中から「太陽」が生まれる強大な水素の雲
です。
現在も太陽の誕生に向かって、収縮運動中だと思われます。

観望のついでに、この星雲の東側を散歩されることをお勧めします。
そこには天の川の中心が輝いており、暗いけれども膨大な数の星がひしめき合い、複雑な暗黒
星雲と入り乱れる様子が実に圧巻です。 でもこれは、星が良く見える場所での話。
都会の、天の川も見えないようなところは、残念ながら論外になります。

M8までの距離は、約5000光年。明るい部分の実際の大きさは約60光年と考えられています。
                                            Mr.M