ウスイロヒョウモンモドキ Meritaea regama Fruhstorfer,1915
タテハチョウ科 Nymphalidae
兵庫県 香美町 2006/7/9  E-1 MicroNikor105mm Mr.M

ウスイロヒョウモンモドキは、絶滅危惧種Aランクに属するチョウだ。
兵庫県にはもう1種、オオウラギンヒョウモンがあるが、この種は県下ではすでに絶滅したと見られて
いる。
今日は、夏のチョウの観察会に参加した。 とてもめずらしいことだが、ウスイロ・・・は見たこともないし、
観察会ってどんなもんか、一度体験してみたいと思ったのだ。

途中省略。

ところが、絶滅危惧種??? なのである。 体力がない体に鞭打って、登山道を息を切らせつつ横を
見ると、1頭の茶色いチョウチョがひらひらと舞っている。
あっ、これはなにかな? といってとまったところをじっと見ると、先ほどレクチャーを受けたチョウに良
く似ている。
近くにいた詳しい人に聞くと「あっ、それウスイロです!」 感動の一瞬ではあったが、あっけなく絶滅危
惧種Aランクに出会えてしまったのだ。
それだけではない。 1頭目を発見してからは、すこし行く度に次から次に現れてくるではないか!
本当にこれって絶滅の危機???
種明かしを簡単に書けば、こうだ。
確かに、4年前は「ウスイロ」は絶滅に瀕していた。
しかし、兵庫県ウスイロヒョウモンモドキを守る会、日本チョウ類保全協会や地元の人たちの食草を栽
培したり、高原の草刈の時期をずらしたりの努力が実って、昨日の調査の結果、推定頭数6000!ま
でに回復したのだという。

コウノトリほどメジャーではないが、種の危機を救った貴重な出来事ではないだろうか(まだ結論を出
すには早いかもしれないが)。
せまい高原の中に6000頭、これは、どう見ても「普通の種」である。
大型のウラギンヒョウモンよりもたくさんいた。

ウスイロヒョウモンモドキは、花の蜜を吸うチョウではない。 前日の観察会では、獣フンに集まっていた
というし、きょうでも、人の汗や唾液を乗せた指を吸っていた。
だから、ウスイロ・・・が花に止まっている写真は不自然なのである(言い訳ということではありません)。
                                       Mr.M

「学名一口メモ」
 nympha 1.若い女、少女 2.ニンフ、水の精 / nymphaea (植)スイレン