73P/シュヴァスマン・ヴァハマン第3周期彗星  (2006.5.3)

この彗星は、1930年に発見後1979年まで見失われていた、公転周期 5.4年の周期彗
  
星です。
  
「73P」という表記の仕方は、国際天文学連合が過去に発見された彗星を 分類してつけた
  
もので「73番目の周期彗星」という意味になります。 ちなみに、この彗星は5月12日ごろ地
  
球に最接近(C核)しますが、月明 かりの関係でこの大型連休のころが観測の最適期となり
  
ます。


C 核

20個以上に分裂している中で、これは最も明るいC核です。 南西方向に約20’(分)ほど
  
伸びた尾が分かります。
  
(2006.05.03 25時33分=露出2分 400mmF4+S3pro) 


B 核

これは2番目に明るい「B核」です。
  
(2006.05.03 26時00分=露出2分 400mmF4+S3pro)


ヘルクレス座のC核とB核

「C核」と「B核」を1枚に撮影しました。星座はヘルクレス座です。 この後、彗星は画面の下
  
方向に移動していきます(東向き)。
  
(2006.05.03 23時32分=露出2分 55mmF2.8+S3pro)   

  

撮影する予定だった500mmF2.8の望遠鏡は、赤道儀の調子が悪く、数 コマ撮影して中
  
止せざるを得ませんでした。クランプが効かず、写真はすべて 星が流れていました。 仕方な
  
く上記の400mmを用意し、別の赤道儀にウェイトを追加してバラン スを調整し、約1時間
  
後に撮影開始となりました。 それにしても、彗星はほぼ天頂にあったため、ピントやアング
  
ルの調整に首が 痛くてたまりませんでした。老体にはニュートン式反射望遠鏡が向いてい
  
るの ではないか(横から見られるので)と、しみじみ思いました。
  
                       Mr.M

撮影日:2006.05.03
撮影場所:日高町 星文化研究所
使用カメラ:Fuji FinePix S3pro(ISO800)
使用レンズ:広角写真はNikor55mmF1.2(2.8にて)
       アップ写真はペンタ10cmF4望遠鏡
露出時間:すべて2分(恒星時追尾)