入梅−クリの花−  (2005年6月11日)

梅雨の蒸し暑さと栗の花の匂いは増幅し合って、これから始まる不快な季節の到来を 警告する。「何故この匂いなのか?」。一度でも花下をくぐった人ならば、そう思うのでは。 体調が良くないときには、匂いに中ってしまいそうだ。
昼飯を喰った後、匂いに誘われたわけじゃないけど、ふらふらと事務所を出た。トンボでも撮ろうと 調整池まで降りると、ミクリも花をつけていた。和名を「実栗」或いは「三稜草」と云うそうで、 「実栗」と云うだけあって、よく見るとその花のつき具合まで栗に良く似ている。Yは「似栗」といった。 水辺の浅いところに生育するので「水栗」でも良いと思った。


クリ(シバグリ)

ミクリ

お目当てのトンボはというと、ハッチョウトンボが沢山いた。紅色になったやつは一匹しか 見あたらなかったので、羽化し始めたのはまだ一週間ほど前だろう。今年は遅い。昨年の台風 のせいで湿地の様子も少し変わったので心配していたのだ。他には キイトトンボアジアイトトンボハラビロトンボ、ヨツボシトンボが 居たが、ヨツボシ以外は全体的に数は少ない。サナエトンボ類にいたっては、今年未だ見ていない。


ハッチョウトンボ♂ (未成熟)

ハッチョウトンボ♀ (未成熟)

クリの花に負けないくらい、強烈な匂いのササユリも一輪だけ咲いていた。匂いの質はある意味 で対称的だが、「むせ返るような...」では一致している。見た目は清楚な、悲しい感じさえする 花だが、匂いは厚化粧の貴婦人とでもいったところか。


ササユリ

撮影データ: 全て 2005/6/11 日高町 E950 Mr.F